香辛甘酸コラム(Vol.2)

香辛甘酸コラム

タイ人も憧れる「クロックアンシラー」って知ってる!?

タイで「クロックヒン(石のクロック)」の生産地と言えば、誰もがその名をあげるのがチョンブリー県のアンシラーです。もともと有名な石の産地だったためクロックヒン作りが盛んになったのですが、なんとアンシラー産の石(タイ語でヒンアンシラー)は今掘り出されている分が全てで、それ以上は採れないのだとか。

そのため、現在アンシラーで作られているクロックヒンはタート県やペッチャブン県産の「ヒングラニック」という頑丈な石を使ったものが主流。アンシラー産の石を使用してアンシラーで作られた「クロックアンシラー」は大変希少なものとなり、価格も普通のクロックヒンの約10倍〜と高騰中。

とは言え、今あるヒンアンシラーがなくなったら、その後本物の「クロックアンシラー」を手に入れることは実質不可能となるため、ますます価格が上がることはまちがいなし! もし気になる方は、今の内に手に入れておくのが正解かもしれません。

 

  • ヒンアンシラーの特徴

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右がヒンアンシラー、左がヒングラニック。アンシラー産は地の色が白っぽく、さらにキラキラとした輝きがあるため、クロックの仕上がりの色が美しい。現在売られているクロックヒンの多くはヒングラニックを使用しているため、グレーがかったものが多い。

 

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ヒンアンシラーのクロックを作っているところ。バンコクの街中ではあまり見かけない、真っ白でかわいいクロックが完成。

 

  • ヒンアンシラーのなかにもさらに貴重な石が!

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左の普通のヒンアンシラーに対し、クリーム色のラインが入っている右側はさらに珍しいとされているもの。日本人にとってちょっと驚きなのは、この色が「シーマンプー」(蟹ミソ色)と呼ばれいること……。希少できれいなクリーム色を「蟹ミソ」と表現するなんて、さすがシーフード大国です!

 

 

 

  • アンシラーで買えるクロックいろいろ

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ヒンアンシラーのクロック各種。現地ではサイズ、デザインともに豊富に揃います。クリーム色っぽいものがシーマンプーのクロック。クロックアンシラーの値段は、だいたい1500B〜。サイズや色味などによって、値段が変わるそう。

 

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こんな繊細な模様が施されたものも。このデザインを作れる職人は現在アンシラーに1人だけで、とても貴重とのこと。右側のクロックは、マーブル状にシーマンプーがマーブル状に入っています。かなり大きめのサイズで、1個7500B。

 

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今回の取材で見た中で、1番高価だったのがこちらの35000Bのクロック。直径30cm以上はありそうなビッグサイズです。

 

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こちらがヒングラニックを使ったクロック。お値段も数百B〜とお手頃で、普段使いに程よいサイズ。このタイプにも個性的な模様入りはあり。

 

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タイらしいトロピカルな花のイラストが入ったタイプは女性に人気だそう。ほかにも、ドラえもんやミッキーマウスなどが描かれた「えっ!?」と思わず振り返る柄のものも(笑)。

 

  • ブンロートおじさんが実際に見せてくれた

「クロックヒン」ができるまで

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クロックヒン工場で働くブンロートおじさん。この道20年のベテランです。渋い!

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1 塊の石に、コンパスで円を描く。中心に線を1本いれ、耳を付ける場所も決めておく。

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2 周囲の余分な部分を、鉄の棒と金づちで粗く削る。

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3 機械を使い、表面をスムーズに整える。

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4 表面に格子状に線を入れ、中を彫りやすくする。

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5 線を入れた部分を手作業で削っていく。

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6 手で掘り出した部分を、さらに機械で滑らかに細部まで整える。

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7 4〜6を合計4回繰り返すとこの状態に。

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8 穴が開いた部分の直径に合わせ、台座のサイズを決めて印を付ける。

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9 台座のサイズに合わせ、機械と手作業で側面の形を整える。

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10 最後に小さめの機械で周囲をスムーズに整える。

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約2時間弱で小さめのクロックヒンが1個完成! 1日にだいたい5〜6個作るというブンロートおじさん。体力も技術も必要な職人技で、20年のベテランでもその数が限界だそう。

 

 

 

 

 

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