タイの台所新聞コラム
タイではどんな風に売られているの!? ココナッツを扱う食材の卸売市場に潜入(Vol.64)
1.まずはココナッツミルクの専門店へ
フルーツ、肉、魚など、それぞれの食品ごとに区画分けされているタラートタイ。広大な敷地内には、もちろんココナッツ専門のエリアもありました。
ここはココナッツミルク用のココナッツの実を扱う店。ミルクに使われるのは、「マプラオゲー」と呼ばれる、果肉の厚くなった実。「マプラオ」はココナッツの実、「ゲー」は古いという意味で、熟しているので中の水分は少なく、白い実がたくさんついているのが特徴です。
これはココナッツの実を取り出しやすくするために、外皮をむいているところ。太い針金の先を曲げたような器具を使い、1つずつ手作業で皮をむいていきます。
外皮をむいた後は、こちらの機械で白い実が出てくるギリギリまで内側の皮をむいていきます。この実をしぼると、真っ白なココナッツミルクが生まれます。
2.ココナッツウォーターの出荷準備中
こちらの青い実は、「マプラオオーン」というココナッツウォーター用の実。「オーン」は若いという意味で、果肉は少なく水分が多いのが特徴です。
青い皮は、ひとつひとつ大きなナタのような包丁で皮をむき、水につけていきます。1日に何百個も皮をむくのは重労働。実は、とても手がかかっているんです。
香りがよく、おいしいココナッツウォーターがたっぷり詰まったタイのココナッツの実。この後、街へと出荷されていきます。
街で売られているココナッツウォーター。手前の真っ白い実が焼いて香ばしくなった「マプラオパオ」、奥の緑が残っているのが生の「マプラオオーン」。フレッシュな香りを楽しめるのは生ですが、香ばしく飲みやすいのは焼いたほう。タイ人はウォーターを飲んだ後、内側の実もけずって食べます。ちなみに、焼いたほうが皮離れがよく、手でひっぱりだけでツルッとむけて食べやすいのが特徴。
ココナッツウォーターの味が苦手、という方は、まずはよく冷えたパプラオパオから試してみるのがおすすめです。
知っトクコラム
パームシュガーとココナッツシュガーの違いって!?
厳密には原料となるヤシの種類が違うこの2つ。オウギヤシから作られるパームシュガーは香りが高くお菓子向き、ココヤシから作るココナッツシュガーは甘味が深くカレー等に向いていると言われています。ただ、最近のタイでは厳密に区別されないことが多いのだとか。
ココヤシの花茎から、原料の蜜を採取しているところ。
現地には、ペースト状以外に固形のココナッツシュガーも。