喧騒と雑踏の町、新宿歌舞伎町。近年では外国人観光客も多数訪れる、グローバルに開かれた町になりつつありますが、「バンタイ」は40年変わらずにタイの味を届け続けています。

1987年に歌舞伎町でオープンした「バンタイ」には、当時からタイ料理への純粋な愛情がありました。オーナーがまだ飲食店をやるとは夢にも思わぬ頃、タイで巡り合った料理の美味しさに感激して「この美味しさを伝えたい」とバンタイをオープンさせたのだそう。まだ都内にタイ料理の専門店は2~3店舗しかなかった頃の話です。
歌舞伎町のなかでも立地は超一等地なだけに家賃も高額ですが、それでも40年かけて着実にファンを獲得。途中増床して、現在では一日に300人、1か月に約1万人の来店客を迎える超繁盛店になっています。
そのメニューはまさに伝統の味わい。「必ず売上上位に入る」というプーパッポンカリーは近年流行りのソフトシェルクラブではなく、カニの味が深いワタリガニを使用。スパイスの風味とワタリガニの深い味わいで、クラシカルなバンコクの味わいを再現しています。
その他もガパオライスやパッタイ、グリーンカレーなどの王道メニューはもちろん、日本人にはあまりなじみのないカウサパロッソンクウァン(シーフードとパイナップル入り焼飯)やホーモッタレー(海鮮茶碗蒸し)など大規模店舗ならではの、他にはないメニューも充実させています。 「甘い、辛い、酸っぱいというタイ料理の特徴と輪郭をはっきりと打ち出した“バンコクの味”を心がけています。既成のペーストは使わず、都度調味料を合わせて味を作り上げています」(店長の石黒さん)
オーナーはいまも定期的に店に来て、味を確認する情熱を持ち続けています。40年変わらぬ味を伝えるため、必要なルーティーンがあるのです。


取材店:バンタイ
東京都新宿区歌舞伎町1丁目23-14 第1メトロビル 3F
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13000085/

