人形町にある『バンコクピーナッツ食堂』のオーナー内山さんは日本人でありながら経営する全5店舗すべてでタイ人スタッフを雇用しています。タイ人のコックやホールスタッフを安定して雇用するポイントや信頼関係の構築についてお伺いました。
オーナーである内山さんは、お父様が昔タイに赴任されていたため高校時代から何度もタイへ渡航していたそう。その後、学生ビザで1年半タイへ移住し、そこでタイ人の優しさやタイ料理の美味しさに触れたことから、いつかタイと関わる仕事がしたいという気持ちが芽生えたのだとか。
そしてついに2011年、東日本橋に1号店「ラララ食堂」をオープン。内山さんは、日本人が毎日食べても飽きないタイ料理店として、新しいタイ料理店を目指したそうです。
スタッフはタイに住んでいた時の友人や足しげく通っていたお店のスタッフといった人脈からコックの知り合いを紹介してもらったり、日本に住んでいるタイ人を独自のルートで紹介してもらったりしたそうです。
現在は5店舗に増えたにも関わらずスタッフの採用に困る気配のない内山さん。
一体、タイ人スタッフとはどのように関係性を深め、築いているのでしょうか?
弊社からの質問に対して、「社員旅行もないし、飲み会などのイベントもあまりないです。」と苦笑いで回答。しかし、スタッフがプライベートで困ったときには家族のようにサポートしているとのこと。
例えば怪我をして病院に行くときには通訳として付き添うだけでなはなく、金銭的でも面倒をみるのだとか。「僕には昔、タイでお世話になった人達がいて、今度は僕が助けを必要としている人へ恩を返す、そういうことかな。」と語る内山さん。どこまでもまっすぐにタイ料理が大好きな気持ちと、裏表のない朴訥とした人柄、それこそがこの人の元で働きたいと思わせる魅力なのだと感じました。
1号店オープンから12年、今はいろいろなタイ料理店が出てきました。でも様々なタイ料理店を食べに行って、最終的にはまたうちの味に戻ってきてほしいと語る内山さん。
飽きずに通い続けることができる味、その思いは12年前からすでに「食堂」という店名に込められているのでした。
取材店:バンコクピーナッツ食堂
東京都中央区日本橋人形町1-4-6 藤和ビル 1F
http://bkk-peanuts.com/