門前仲町の参道のほど近く。和菓子店や喫茶店、居酒屋などさまざまな表情の飲食店が軒を連ねる永代通りに「タイ屋台居酒屋ヤムヤム」はあります。
近隣の方で賑わうランチ、楽しげな声が響く夜、そして週末の屋上バーベキューとさまざまな顔を持つ、この店の魅力に迫ります。
東京の下町、門前仲町の参道近くの商店街を歩いていると、ひときわ目につく赤、白、紺の三色旗(タイで言う「トン・トライロング(ธงไตรรงค์)」)の看板。
その入口の向こう「タイ屋台居酒屋ヤムヤム」の店内は、屋台を思わせる活気に満ちています。厨房を切り盛りするレックシェフは、バンコクの五つ星ホテル内のタイ料理レストラン「ベンジャロン」で腕を奮っていた腕っこき。タイの東北地方、イサーンで母が作るソムタムやラーブで育ち、高級レストランでタイ国内各地の料理と素材の扱いを身につけ、門前仲町という日本の下町で幅広いタイ料理を伝え続けています。
タイ料理の”幅”についてレックさんに聞くと「バンコクのレストランではココナッツなどを使ったマイルドな料理が多い。一方でイサーンの家庭料理は辛い。辛くなくてもいいけど甘くない。イサーン料理は難しい」となんとも哲学的な答えが返ってきました。タイでよく使われる発酵調味料もイサーンでは魚醤のナンプラーだけでなく、川魚と米ぬかを発酵させたブラーラーでソムタムなどにより深いコクを与えます。ラーブの仕上げに散らす炒り米のカオクァも自家製で、2週間に1度、レックシェフ自らバイマックルーやレモングラスなどのハーブともち米を炒めあげます。
洗練されたバンコクのレストランの味と、イサーンの家庭の味の両方を提供し、屋上でのBBQ向けには厨房で香ばしく焼き上げたガイヤーンを鉄板の上に差し出して、お客様の歓声を浴びる。
タイ料理好きに幅広く喜ばれる人気の品を網羅した上で、郷土やライブ感に満ちた記憶に残るメニューが集客をより強固なものにしていました。
取材店:タイ屋台居酒屋 ヤムヤム 門前仲町店
東京都江東区富岡1-7-5
https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131303/13205811/